] アンプの企画と設計事例
1.300B A級S トランスドライブアンプ 8W
2.300B A級pp CR結合ドライブアンプ(軽いNFB) 18W
3.300B A級pp トランスドライブアンプ 18W
4.300B A級pp 全段トランス結合アンプ 18W
5.300B AB級pp CR結合ドライブ(強NFB)アンプ 31W
第9章 アンプの企画と設計事例
はじめに
・まず音のイメージを求めてアンプを企画する。
・次に要素回路を合成して増幅部を構築する。
・次に増幅部に必要な電源部を構築する。
・必要に応じてNFBをかける。
・これまでに説明した要素回路を組合せて5種類の特徴あるアンプを事例とする。
・最もシンプルで製作事例の多いAsCRドライブアンプはこれまでの説明で設計が終わっているので本篇では割愛する。
9.1 300B A級S TRD 8W アンプ
(1)アンプの企画
@求める音のイメージ
低音、中音、高音、全体
A出力管の選択
出力管のブルーマウンテンとも言われる直熱三極管の300Bを使用する
B出力回路の企画
出力回路はSとして10W前後の最大出力を得る。
繊細さを求める
Cドライブ回路の企画
トランスドライブでトランスの持つ音楽性を求める。
トランスドライブとするので無帰還となる。
DNFB採否の検討
トランスドライブとするので無帰還とする
E電源回路の企画
・TRDの音に加えて古典的な音を追求するために整流管を使用したいがシンプルなダイオード整流とする。
・コンデンサーインプット型平滑と直列給電を採用する。
・CT整流かBRG整流かは選択したPWTの巻線形状に合わせる。
(2)出力回路の設計
@300B A級S出力回路
A級動作のため最大出力時でも直流動作点の移動が少ないので自己バイアス方式とする
A特性
(3)ドライブ回路の設計
@ドライブ管の選球
低rpで出力電圧が大きく取れてプレート損失も大きい5687を使用する
A5687 トランスドライブ回路
B特性
(4)電圧増幅回路の設計
@電圧増幅管の選球
低rpで比較的μの大きい6DJ8を使用する
A6DJ8 電圧増幅回路
B特性
(5)トータルゲインの設計
@ゲイン配分
Aブロック線図
(6)電源回路の設計
@電源回路の仕様の確定
300B A級S出力回路の仕様
5687 ドライブ回路の仕様
6DJ8 初段電圧増幅回路の仕様
ヒーター電源の仕様
AB電源回路の等価直流負荷抵抗の計算
最大電圧EB
無信号時の負荷電流(左右2cH)
最大出力時の負荷電流(左右2cH)
BチョークコイルCKCの選択
最大許容直流
インダクタンスL
CPWTに必要な二次電圧Eacの計算
D市販のPWTの選択
2次電圧と電流容量
ヒーター電圧と電流容量
E設計値とPWTの二次電圧の差ΔEacの吸収
ΔEacの計算
電流経路へ挿入する吸収抵抗ΔRの計算
Fリップル電圧の設計
G最大出力時の電圧変動率の計算
無信号時の電圧
最大出力時の消費電流
設計最大出力*電圧変動率が実際に得られると見積る
H分圧回路
出力回路への供給電力
ドライブ回路への供給電力
電圧増幅回路への供給電力
ブリード回路への供給電力
無信号時の発熱量
電源投入直後の発熱量
Iヒーター電源の設計
J部品の規格の計算
抵抗の熱容量の計算
コンデンサーの耐圧の計算
ダイオードの耐圧の計算
ヒューズ容量の設計
(7)総合特性
@増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
A電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
B周波数特性(ボード線図)
9.2 300B A級PP CRD 18W アンプ
(1)アンプの企画
@求める音のイメージ
低音、中音、高音、全体
A出力管の選択
直熱三極管の300Bとする
B出力方式の企画
A級PP回路として最大出力20W弱の迫力のある音を求める。
A級動作のため最大出力時でも直流動作点の移動が少ないので自己バイアス方式とする
CNFB採否の検討
A級PPのため歪みは少ないので無帰還とする。
CRドライブでありNFBをかけられるがそのために積極的にゲインを稼ぐことはしない。
無帰還で設計し音の調整のためにゲインと安定性に無理のない範囲でNFBをかける
Dドライブ方式の企画
シンプルで高域特性の素直なCR結合ドライブとする
E電源回路の企画
・シンプルなダイオード整流とする
・コンデンサーインプット型平滑と直列給電を採用する。
・CT整流かBRG整流かは選択したPWTの巻線形状に合わせる。
(2)出力回路の設計
@300B A級PP出力回路
A特性
(3)ドライブ回路の設計
@ドライブ管の選球
低rpで出力電圧が大きく取れてプレート損失も大きい5687を使用する
A5687 CRドライブ回路
B特性
(4)位相反転回路の設計
@位相反転管の選球
低rpで比較的μの大きい6DJ8を使用する
後段にドライブ回路を設けるので大きな出力電圧は必要ない
APK分割位相反転回路の決定
無帰還ではあまりゲインを必要としないのでPK分割回路とローμ電圧増幅管を採用する。
PK分割はゲインは1弱であるが回路がシンプルで調整が必要ないメリットがある
B特性
(5)電圧増幅回路の設計
@電圧増幅管の選球
低rpで比較的μの大きい6DJ8を使用する
A6DJ8K CR電圧増幅回路
B特性
(6)トータルゲインの設計
@ゲイン配分
Aブロック線図
(7)電源回路の設計
@電源回路の仕様
300B A級PP出力回路の仕様
5687 ドライブ回路の仕様
6DJ8 PK分割位相反転回の仕様路
6DJ8 初段電圧増幅回路の仕様
ヒーター電源の仕様
AB電源回路の等価直流負荷抵抗の計算
最大電圧EB
無信号時の負荷電流(左右2cH)
最大出力時の負荷電流(左右2cH)
BチョークコイルCKCの選択
最大許容直流電流
インダクタンスL
CPWTに必要な二次電圧Eacの計算
D市販のPWTの選択
2次電圧と電流容量
ヒーター電圧と電流容量
E設計値とPWTの二次電圧の差ΔEacの吸収
ΔEacの計算
電流経路へ挿入する吸収抵抗ΔRの計算
Fリップル電圧の設計
G最大出力時の電圧変動率の計算
無信号時の電圧
最大出力時の消費電流
設計最大出力*電圧変動率が実際に得られると見積る
H分圧回路の設計
出力回路への供給電力
ドライブ回路への供給電力
位相反転回路への供給電力
電圧増幅回路への供給電力
ブリード回路への供給電力
無信号時の発熱量
電源投入直後の発熱量
Iヒーター電源の設計
J部品の規格の計算
抵抗の熱容量の計算
コンデンサーの耐圧の計算
ダイオードの必要な規格の計算
ヒューズ容量の設計
(8)無帰還アンプの総合特性
@増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
A電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
B周波数特性(ボード線図)
(9)NFB回路の設計
@NFBのゲイン配分
NFB量を決める
位相補償用回路を必要とするまではかけない
Aスタガーリングを行なう
位相補償用回路を設けないので極力安定になるように
ゲインに影響を及ぼさないスタガーリングだけは行なっておく
Bβ回路の設計
NFB量からR1とR2を決める
(10)NFBアンプの総合特性
@増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
A電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
B周波数特性(ボード線図)
9.3 300B A級PP TRD 18W アンプ
(1)アンプの企画
@求める音のイメージ
低音、中音、高音、全体
A出力管の選球
直熱三極管の300Bとする
B出力方式の企画
A級PP回路とし迫力のある音を求める
A級動作のため最大出力時でも直流動作点の移動が少ないので自己バイアス方式とする
Cドライブ方式の企画
トランスドライブの音を求めて無帰還とし位相反転もドライブトランスで同時に行なう
DNFB採否の検討
トランスドライブとするので無帰還とする
E電源回路の企画
・TRDの音に加えて古典的な音を追求するために整流管を使用したいがシンプルなダイオード整流とする。
・コンデンサーインプット型平滑と直列給電を採用する。
・CT整流かBRG整流かは選択したPWTの巻線形状に合わせる。
(2)出力回路の設計
@300B A級PP出力回路
A特性
(3)位相反転・ドライブ回路の設計
@ドライブ管の選球
A5687 トランス位相反転・ドライブ回路
B特性
(4)電圧増幅回路の設計
@電圧増幅管の選球
A6DJ8 CR電圧増幅回路
B特性
(5)トータルゲインの設計
@ゲイン配分
Aブロック線図
(6)電源回路の設計
@電源回路の仕様
300B A級PP出力回路の仕様
5687 TRドライブ回路の仕様
6DJ8 初段電圧増幅回路の仕様
ヒーター電源の仕様
AB電源回路の等価直流負荷抵抗の計算
最大電圧EB
無信号時の負荷電流(左右2cH)
最大出力時の負荷電流(左右2cH)
BチョークコイルCKCの選択
最大許容直流
インダクタンスL
CPWTに必要な二次電圧Eacの計算
D市販のPWTの選択
2次電圧と電流容量
ヒーター電圧と電流容量
E設計値とPWTの二次電圧の差ΔEacの吸収
ΔEacの計算
電流経路へ挿入する吸収抵抗ΔRの計算
Fリップル電圧の設計
G最大出力時の電圧低下の計算
無信号時の電圧
最大出力時の消費電流
設計最大出力*電圧変動率が実際に得られると見積る
H分圧回路
出力回路への供給電力
位相反転・ドライブ回路への供給電力
電圧増幅回路への供給電力
ブリード回路への供給電力
無信号時の発熱量
電源投入直後の発熱量
I部品の規格の計算
300Bのヒーター電源の設計
5687と6DJ8のヒーター電圧
J部品の規格の計算
コンデンサーの耐圧の計算
ダイオードの必要な規格の計算
ヒューズ容量の設計
(7)総合特性
K増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
L電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
M周波数特性(ボード線図)
9.4 300B A級PP PTRD 18W アンプ
(1)アンプの企画
@求める音のイメージ
低音、中音、高音、全体
A出力管の選球
直熱三極管の300Bとする
B出力方式の企画
A級PP回路とし迫力のある音を求める
A級動作のため最大出力時でも直流動作点の移動が少ないので自己バイアス方式とする
Cドライブ方式の企画
トランスドライブでトランスの持つ音楽性を求める。
全段トランス結合とし徹底的にトランス結合の音を楽しむ。
位相反転は入力トランスで行なう。
トランスドライブとするので無帰還となる
DNFB採否の検討
トランスドライブとするので無帰還とする
E電源回路の企画
・全段トランスドライブの音に加えて古典的な音を追求するために整流管を使用したいがシンプルなダイオード整流とする。
・コンデンサーインプット型平滑と直列給電を採用する。
・CT整流かBRG整流かは選択したPWTの巻線形状に合わせる。
(2)出力回路の設計
@300B A級PP出力回路
A特性
(3)トランスドライブ位相反転・電圧増幅回路の設計
@トランスドライブ位相反転・電圧増幅管の選球
・二段構成のアンプのため5687にするとゲインが不足する。
6DJ8は最大出力電圧の点で不利であるがトランスドライブなのでカバー出来る。
A6DJ8 トランスドライブ位相反転・電圧増幅回路
B位相反転入力トランス
n1:n2+n2=1:1+1の場合のZi
n1:n2+n2=1:2+2の場合のZi
C特性
(4)トータルゲインの設計
@ゲイン配分
Aブロック線図
(5)電源回路の設計
@電源回路の仕様
300B A級PP出力回路の仕様
6DJ8 電圧増幅・ドライブ回路の仕様
ヒーター電源の仕様
AB電源回路の等価直流負荷抵抗の計算
最大電圧EB
無信号時の負荷電流(左右2cH)
最大出力時の負荷電流(左右2cH)
BチョークコイルCKCの選択
最大許容直流電流
インダクタンスL
CPWTに必要な二次電圧Eacの計算
D市販のPWTの選択
2次電圧と電流容量
ヒーター電圧と電流容量
E設計値とPWTの二次電圧の差ΔEacの吸収
ΔEacの計算
電流経路へ挿入する吸収抵抗ΔRの計算
Fリップル電圧の設計
G最大出力時の電圧低下の計算
無信号時の電圧
最大出力時の消費電流
設計最大出力*電圧変動率が実際に得られると見積る
H分圧回路
出力回路への供給電力
電圧増幅・ドライブ回路への供給電力
ブリード回路への供給電力
無信号時の発熱量
電源投入直後の発熱量
Iヒーター回路の修正
J部品の規格の計算
コンデンサーの耐圧の計算
ダイオードの必要な規格の計算
ヒューズ容量の設計
(6)総合特性
@増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
A電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
B周波数特性(ボード線図)
9.5 300B AB級PP CRD 31W アンプ
(1)アンプの企画
@求める音のイメージ
低音、中音、高音、全体
A出力管の選択
直熱三極管の300Bとする
B出力方式の企画
AB級PP回路として30W前後の最大出力を得る
AB級動作のため最大出力時で直流動作点の移動が大きくなるので固定イアス方式とする
CNFB採否の企画
AB級ppで歪が増加する分を強度のNFBをかけて改善する。
多量のNFBをかけるために可能な限りゲインを稼ぐ
Dドライブ方式の企画
NFBをかけるので高域特性の素直なCR結合ドライブとする
E電源回路の企画
・シンプルなダイオード整流とする
・コンデンサーインプット型平滑と直列給電を採用する。
・CT整流かBRG整流かは選択したPWTの巻線形状に合わせる。
(2)出力回路の設計
@300B AB級PP出力回路
A特性
(3)ドライブ回路の設計
@ドライブ管の選択
低rpで出力電圧が大きく取れてプレート損失も大きい5687を使用する
A5687 CRドライブ回路
B特性
(4)位相反転回路の設計
@位相反転管の選球
低rpでNFBのためにも比較的μの大きい6DJ8を使用する
後段にドライブ回路を設けるので大きな出力電圧は必要ない
A位相反転回路の決定
NFBで低下するゲインを稼ぐためにKC反転回路を採用する。
B6DJ8 KC反転前段直結回路
C特性
(5)電圧増幅回路の設計
@電圧増幅管の選球
低rpで比較的μの大きい6DJ8を使用する
A6DJ8 CR電圧増幅回路
BNFB用ゲインの確保
C特性
(6)トータルゲインの設計
@ゲイン配分
Aブロック線図
(7)電源回路の設計
@電源回路の仕様
300B AB級PP出力回路の仕様
5687 ドライブ回路の仕様
6DJ8 KC反転回路の仕様
6DJ8 初段電圧増幅回路の仕様
ヒーター電源の仕様
AB電源回路の等価直流負荷抵抗の計算
最大電圧EB
無信号時の負荷電流(左右2cH)
最大出力時の負荷電流(左右2cH)
BチョークコイルCKCの選択
最大許容直流電流
インダクタンスL
CPWTに必要な二次電圧Eacの計算
D市販のPWTの選択
2次電圧と電流容量
ヒーター電圧電流容量
E設計値とPWTの二次電圧の差ΔEacの吸収
ΔEacの計算
電流経路へ挿入する吸収抵抗ΔRの計算
Fリップル電圧の設計
G最大出力時の電圧低下の計算
無信号時の電圧
最大出力時の消費電流
設計最大出力*電圧変動率が実際に得られると見積る
H分圧回路の設計
出力回路への供給電力
ドライブ回路への供給電力
位相反転回路への供給電力
電圧増幅回路への供給電力
ブリード回路への供給電力
無信号時の発熱量
電源投入直後の発熱量
IC電源の設計
Jヒータ電源の設計
K部品の規格の計算
抵抗の熱容量の計算
コンデンサーの耐圧の計算
ダイオードの必要な規格の計算
ヒューズ容量の設計
(8)無帰還アンプの総合特性
@増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
A電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
B周波数特性(ボード線図)
(9)NFB回路の設計
@NFBのゲイン配分
無帰還で最大出力に必要なゲイン
β回路によるゲイン低下を補償するためのゲイン
位相補償回路によるゲイン低下を補償するためのゲイン
Aスタガーリング
位相補償用を容易にするためにかけておく
Bβ回路の設計
NFB量からR1とR2を決める
C安定性の判別
D位相補償回路の設計
E初段用電源回路の変更
(10)NFBアンプの総合特性
@増幅回路の特性
最大出力電力
最大出力電圧
回路ゲイン
最大入力電圧
最大出力時の歪率
低域カットオフ周波数
高域カットオフ周波数
入力インピーダンス
出力インピーダンス
ダンピングファクタ
A電源回路の特性
ハム電圧
電圧変動率
クロストーク
B周波数特性(ボード線図)