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第1章 オーディオアンプの概要

はじめに

・回路の理論や動作の詳細な説明に入る前にアンプの全体的な構造を説明する。

・実際の回路には特性を微調整するために付属的な部品や回路が付加されることがあるが無くても十分に機能する。

・本編では必須の機能を抽出してアンプの構造を説明する。

・アンプの構造を頭に入れておくと後の回路の説明の位置付けが大変分かり易くなる。

・シングルかプッシュプルか

・ステレオかモノラルか

・ステレオとは本来「立体」という意味であるがアンプの用語としては一つのアンプで左右二チャンネルの信号を独立に増幅することを意味する。

 

1.1 ステレオ・シングル・無帰還アンプ

・アンプは増幅部と電源部から構成される。

・増幅部はその名の通りCDP等からの音楽信号を大きくしてSPを鳴らす。

・電源部は増幅部が動作するための電力を供給する。

・本章ではシンプルな構成ではあるが音楽鑑賞に充分な性能が得られ製作事例も多いステレオシングルアンプの構造を説明する。

(1)増幅部の構成

・増幅部の構成を図1に示す。

・出力回路

・ドライブ回路

・電圧増幅回路

(2)電源部の構成

・電源部の構成を図2に示す。

・変圧回路

・B電源

・A電源

 

1.2 ステレオ・プッシュプル・無帰還アンプ

・本章ではプッシュプルアンプの構造を説明する。

・プッシュプルアンプはシングルアンプよりも大きな出力を得ることが出来る。

・その分回路構成が複雑になる。

(1)増幅部の構成

・増幅部の構成を図3に示す。

・出力回路

・位相反転回路

・ドライブ回路

・電圧増幅回路

(2)電源部の構成

・変圧回路

・B電源回路

・C電源

・A電源回路

 

1.3 無帰還アンプとNFBアンプ

・NFBをかけると特性が改善されて音質も改善される。

・NFBはβ回路と位相補償回路で構成される。

・β回路は出力信号を入力信号に反映させる回路であ。。

・位相補償回路はより多くのNFBを安定にかけるための回路である。

・軽度のNFBの場合は省略されることも多い。

(1)β回路

(2)位相補償回路

 

1.4 モノラルアンプの構造

・モノラルとは「片耳」の意味である。

・アンプの用語としては1つのアンプで1チャンネルの信号を増幅することを意味する。

・大規模な増幅部をステレオ構成にすると電源部も大きくなる。

 その結果、アンプ全体の寸法や重量が大きくなり過ぎて設置、調整、移動等の取扱いが困難になる場合に左右1チャンネルずつに分けて製作する。

 その結果、1つの増幅部に対して1つの電源部を装備するので電源部が強化されたことになりモノラルアンプは音が良いと言われることが多い。

(1)増幅部の構成

(2)電源部の構成

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